権力にこびる政治家に失望

2018.03.19 Monday

 石川県知事が、現職で全国最多の7選となったというニュースを聞き、十年前の浅野川水害を思い出した。

 近所に住む多くの人が、家や職場を失った。生活の困難さと復興への支援を、被災者から直接伝えたいと、ある代議士を通して知事に面談を申し入れた。

 再三の陳情にも、知事は自ら被災者に会わず、部長らに対応させた。代議士は「これこそ多選の弊害だ」と嘆いていた。

 被災者らは止むを得ず河川管理者である県を訴え、四年後の和解まで苦しみが続いた。

 先日街頭で、その代議士が知事の隣で応援演説をする姿に、ばったりでくわした。

 十年前の怒りがめらめらと湧き上がってきた。思わず代議士に近づいて「本当にその人でいいんですか」と声が出た。

 「演説のじゃまをするな」背後から大柄の男に腕をつかまれ、怖い思いをした。代議士と知事は、多くの取り巻き議員を連れて立ち去った。

 結局多選とは、弱い立場の者の声を聞かず、権力にへつらう政治家を増やすだけではないか。そう、強く思わされた。

(2018年3月19日北陸中日新聞掲載の原文)

新監督を迎えるオーケストラアンサンブル金沢に望むこと

2018.01.14 Sunday

 オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の新芸術監督に、世界的指揮者マルク・ミンコフスキ氏の就任が発表された。
 ミンコフスキ氏の演奏は、録音では良さが伝わらないと聞いていたが、2012年のOEKとの共演「マ・メール・ロワ」では、決してCDでは聴くことのできない、繊細で豊かな響きを音楽堂で体験し感動した。
 このところOEKの観客数が低迷していると聞くが、わたしも数年前に定期会員をやめた。理由の一つは開演時間だ。平日午後7時開演が多いのだが、これでは仕事を終えて食事をとる暇もない。仕事が長引き、チケットを無駄にしたことも何度かある。
 コンサートを心から楽しむためには、ちょっとオシャレをして会場に入るくらいの時間の余裕がほしい。
 佐渡裕さんが芸術監督を務める兵庫芸術文化センター管弦楽団は、すべての定期演奏会を金・土・日の3公演で行ない、一つの演奏を三度聞くチャンスがある。
 ベルリン・フィルハーモニーでは、通常の定期演奏会の終了後10時半からさらに、「レイト・ナイト」コンサートを行なっている。
 一人でも多くの人に演奏を聴いてもらうために、石川県立音楽堂でもスケジュールを工夫し、OEKとミンコフスキの名演を、決して宝の持ち腐れにしないでほしい。

(2018年1月13日北陸中日新聞『発言』に掲載の添削前の原文)

オーケストラアンサンブル金沢の新音楽監督に望む

2017.08.12 Saturday

 オーケストラアンサンブル金沢(OEK)の井上監督退任が発表された。初代監督の岩城宏之さんが亡くなって11年。その間に、OEKがより地元に親しまれる存在になったかといえば、残念ながらそうとはいえない。
 わたしは大学のブラスバンドで、今は世界的な指揮者になった佐渡裕さんの指導を受けたことがある。佐渡さんはたびたび学生の練習に付き合い、自宅で奥さんの手料理を振舞い、わたしたちのような素人にも熱く音楽を語ってくれた。
 佐渡さんは地方大学のフルート専攻だったので、普通なら世界的な指揮者になるチャンスはなかったが、あきらめずに挑戦し続けたことで巨匠レナード・バーンスタインに才能を見出され、世界各地のオーケストラを指揮し、世界最高峰のベルリンフィルにも客演した。
 佐渡さんは音楽を通して、何事にも本気で取り組めば夢はかなうと教えてくれた。
 演奏会の打ち上げで佐渡さんは、100人以上の学生たち一人一人にイラストとメッセージ入りの色紙を書いてくれた。「本気で音楽しようぜ」と書かれた色紙はわたしの宝物だ。
 OEKの新監督には、佐渡さんのように自分から地域に飛び込んで、普通の人に音楽の素晴らしさを伝える、熱い魂を持った人になってほしい。

(2017年8月12日北陸中日新聞モーニングサロン掲載)

JUGEMテーマ:オーケストラ

勇気出しあいさつ笑顔の返事に驚き(読売新聞気流)

2015.02.15 Sunday

勇気出しあいさつ 笑顔の返事に驚き
介護福祉士 小坂直樹 49(金沢市)

毎朝、職場のデイサービスセンターから車で、利用者を自宅まで迎えに行きます。狭い路地で車を止め、利用者が乗るまで道を塞いでしまうことがあります。そんな時、いつもクラクションを鳴らして「早く動かせよ」と言ってくる年配の男性がいます。
ある朝、車を降りて勇気を出し、「おはようございます。いつも待っていただいてありがとうございます」と笑顔であいさつしました。どなり返されるかなとドキドキしましたが、予想外の笑顔で「いつもご苦労さん」と答えてくれて、とてもうれしく思いました。
その時ふと、本で読んだ「人は自分を映す鏡である」という言葉を思い出しました。真心を持って接すれば、相手も優しく応じてくれるのだと思います。職場でも、この言葉を忘れずに利用者に接していこうと改めて決意しました。
(読売新聞 気流 2015年2月14日)

介護報酬下げ現場に影響不安

2014.12.25 Thursday


【介護報酬下げ現場に影響不安】
 介護保険サービスを提供した事業者が受け取る介護報酬について、政府が来年度から引き下げる方針を固めたという記事を読み、介護事業を営む者として、現場にどんな影響が及ぶのか不安になりました。
 わたしは2000年4月の介護保険制度開始と同時に、郷里で小さなデイサービスセンターを開業しました。利用者の笑顔にも励まされ、なんとか職員に毎月の給料を支払っています。産休や育休などを考え、職員数を多めに確保する必要もあり、利益が出にくいというのが実情です。
 もし介護報酬が大幅に引き下げられれば、利用者を増やさないと経営が難しくなります。また、利用者を増やせば、一人一人に対するサービスの低下が心配です。事業者にとって経営状況は違うとは思いますが、十分なサービスの質を確保できることを前提として、慎重に検討してほしいと思います。
(読売新聞朝刊2014年12月24日)

いつか自分もサンタさんのように

2014.12.24 Wednesday



 「今年も、サンタクロースは来てくれるかな」。毎年クリスマスが近づくとワクワクして待った幼き日のイブの夜と、キリスト教の幼稚園で習った「受けるよりも与える方が幸いです」という聖書の言葉を思い出します。
 人から、してもらうことばかり考える大人に育ってしまった自分にとって、いつもドキッとさせられる言葉です。サンタさんは、自分がしてもらうことなど一つも考えずに、世界のあらゆる国の子たちに、夢と幸せを届け続ける人です。
 わたしたちみなが、サンタさんのように、誰にでもわけへだてなく希望を与え続ける人になれば、きっと、この世から貧困も戦争もなくなることでしょう。
 いつか世界の子たちとともに、自分もサンタさんのようになれることを夢見て、メリー・クリスマス!
(北國新聞朝刊2014年12月23日)

乳児とママとお年寄りの交流が実現しました。

2012.10.17 Wednesday


 リビングデイサービス・クラフトカフェの新しい試みとして、0,1歳児とそのお母さんとお年寄りのおはなし会を通した、交流の機会を持ちました。 

 手作りぬいぐるみがいっぱいのリビングデイサービスにやってきた子供たちは、それぞれにお気に入りのぬいぐるみを手に取り、うれしそうに走り回っていました。

 わたしたち職員がとくに促すことがなくても、お母さんたちはお年寄りに「これ、つくられたんですか」と興味を持って話しかけ、なごやかな交流がはじまりました。

 帰りには子供たちとお年寄りが、自然に握手をしてお別れ。みんなで一斉に「さーよーうーなーら」とあいさつするよりも、このほうが本当に心がこもっていて格段にいいですね。なにげなく、自然に、心から別れを惜しむ気持ちが表れたことに、うれしい気持ちでいっぱいになりました。

 わたしも、デイサービスを舞台にしたお年寄りと子供の交流を描く絵本を書きました。しかし、その本を読んでもらうことが目的ではなくて、絵本をきっかけに、実際にこのような人と人の交流が生まれることが願いなのです。

 リビングデイサービス・クラフトカフェは、0歳から100歳以上までが楽しく過ごす場となりました。おはなし会以外の日にも、子供連れでぶらっとおいでください。平日9時半から4時まで、交流を望む方は誰でも歓迎です。お待ちしております。

(写真は、おばあちゃんの手作りボールとお母さんと赤ちゃん三世代の手)

誰かの役に立つということ

2012.10.01 Monday

 今朝の読売新聞には、いくつもの認知症や介護の特集記事が見られました。介護ミュージカルで各地を巡るかたわら、介護施設を訪問しているという中尾ミエさんのことばで「人の世話になるだけでなく、誰かの役に立っているからこそ、楽しく老いていくことができるんだと気づいた」とありました。

 これまでわたしたち介護職は、いかに良いケアを提供するかを考えてきましたが、これからは、いかにお年寄り自身が人の役に立てるかという発想に転換していく必要があります。わたしたちのデイサービスで、お年寄りの手作りぬいぐるみチャリティを続けているのも、そんな狙いがあります。

読売新聞に載りました「ツイッターで介護の悩み共有」

2010.03.21 Sunday

  昨日の読売新聞・気流(投書欄)に、わたしの書いた「ツイッターで介護の悩み共有」が載りました。http://liv.jp/doc/2010-0320.html

 気流デスクのコメントには、「鳩山首相もやっているツイッター(中略)小坂さんのような使い道もあるのだなと感心しました」と書いていただきました。

 ツイッターを批判する人もいますが、新しい情報技術を活用することで、人の心や命を救うことができるのも確かです。積極的に活用していくべきだと、わたしは考えています。

介護労働の給与 社会保険料免除で手取り増やせ

2010.01.08 Friday

  今朝の朝日新聞朝刊に、わたしの提言が掲載されました。

介護労働の給与 社保料免除で手取り増やせ
 朝日新聞社の許可を得て転載

 昨年10月から始まった、介護職員処遇改善交付金の問題点と、確実な介護労働の給与増のためのアイデアを書いています。皆さんのご意見、ご感想をぜひお聞かせください。