イエスを三度知らないと言う(チャペルアワーより)
2018.03.19 Monday
『イエスを三度知らないと言う』
イエスが敵につかまりそうになって、その場から逃げ出した弟子のペテロでしたが、やはり、イエスのことが気になりました。勇気をふりしぼって、敵のあとをつけていきました。
イエスは、代官屋敷に連れて行かれました。屋敷の中庭では、たき火にあたっている人たちがいました。
ペテロも、寒さにがまんできなくなり、たき火にあたって暖まっていると、女が近づいてきて言いました。
「あんた、さっきまで、ナザレのイエスと一緒にいた人でしょう。わたしは、あんたに、耳を切られた男の身内だから、よくわかるんだよ」
「イエスなど知るもんか。お前の言っている意味が、まったくわからない」
ペテロは、とぼけて通路の方に逃げていきました。するとニワトリが鳴きました。
女は、ペテロを追いかけて「この男は、イエスの仲間だ」と言いつづけました。
ペテロは「イエスなんて人は知らない」と言って、逃げ回りました。
「こいつは、イエスと同じ、ガリラヤなまりの言葉で話しているぞ。仲間に違いない」
まわりの人たちも、みんな、そう言いだしました。
「あんたらが言っている、イエスのことなど、絶対に知らない」
ペテロが、そう誓いをたてると、二度目にニワトリが鳴きました。
そして、屋敷の中にとらわれていたイエスが、振り返ってペテロを見ました。
そのときペテロは、「ニワトリが二度鳴く前に、三度わたしを知らないと言うだろう」とイエスが言ったのを思い出してがく然とし、その場にくずれ落ちて、泣いたのでした。
(新約聖書マルコ福音書14章66節から72節による創作)
『あなたは?』
目の前に困っている人がいるのに、見て見ぬ振りをしたことはないでしょうか。
そのとき、どうして、助けることができなかったのでしょうか。
それぞれの体験を、みんなで話し合ってみましょう。