権力にこびる政治家に失望

2018.03.19 Monday

 石川県知事が、現職で全国最多の7選となったというニュースを聞き、十年前の浅野川水害を思い出した。

 近所に住む多くの人が、家や職場を失った。生活の困難さと復興への支援を、被災者から直接伝えたいと、ある代議士を通して知事に面談を申し入れた。

 再三の陳情にも、知事は自ら被災者に会わず、部長らに対応させた。代議士は「これこそ多選の弊害だ」と嘆いていた。

 被災者らは止むを得ず河川管理者である県を訴え、四年後の和解まで苦しみが続いた。

 先日街頭で、その代議士が知事の隣で応援演説をする姿に、ばったりでくわした。

 十年前の怒りがめらめらと湧き上がってきた。思わず代議士に近づいて「本当にその人でいいんですか」と声が出た。

 「演説のじゃまをするな」背後から大柄の男に腕をつかまれ、怖い思いをした。代議士と知事は、多くの取り巻き議員を連れて立ち去った。

 結局多選とは、弱い立場の者の声を聞かず、権力にへつらう政治家を増やすだけではないか。そう、強く思わされた。

(2018年3月19日北陸中日新聞掲載の原文)

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